何故男性向けの恋愛マニュアルやセミナーがないのか

わたしが女性だからかも知れませんが、本を買おうと書店に行って目に入るのは「モテる」「結婚できる」「彼氏が出来る」「愛される」がピンクの表紙な事です。男性向けっぽいコーナーに行くと黒や紺色の表紙で「デキる男」「仕事」「ビジネス」「ナントカ術」と、「恋愛」と書かれた本は皆無でした。
日本の未婚率が上がっているそうですが、結婚している人はいます。

女性なら化粧っ気がなく無難な服を好み、ブランドモノが苦手な地味で10人並みの顔と体型の女、男なら小綺麗で清潔感があり、気配り上手でわりとモテて職場でも上司に可愛がられる世渡り上手が多い気がします。
彼らは早々に結婚してしまうので、婚活市場には存在しないのですが、婚活市場でもっとも求められるタイプだったりもします。
女性は前述したような「モテる」「結婚できる」「彼氏が出来る」「愛される」の本で「男性とは連絡不精で彼女の優先順位は下がって扱いが雑になり、記念日や誕生日は忘れ、1人の女性に縛られたくありません」とか「男性にはこう言わないと聞かないし伝わらないし忘れるし侮辱されたとキレるのでこう伝えましょう」などと、未だに「男尊女卑」が蔓延っているとしか思えない内容ばかりです。
一方の男性には「恋愛」に関する本すらないわけですから、男性は一切女性に合わせようとも分かろうともしないのがわかります。きっと過去に男性向け恋愛マニュアルを出版したけど全く売れなかったからだと信じたい。
男性にマニュアルが売れないのは男性を見ていてわかります。「自意識過剰」まではいかなくても「自己肯定感が高い」「自分はなにもしなくてもそのままで良い」という思考が、モテる女性よりも高いのです。

女性なら500gでも体重が増えたらダイエットの単語が頭をかすめ、ちょっとでも肌の調子が悪かったり足がむくんだと気づけば対処します。対して男性は臨月のようにお腹が出ていても、若い頃の倍くらいに顔にも脂肪が付いても、髪が減って頭皮が直射日光を反射するようになっても「俺はこのままでモテるはず」と信じて疑わない鋼の精神を持っています。鏡に写った自分も、写真に写った自分も「うっとりするくらいの美男子」に見えるのかも知れません。別の国で銃の乱射事件があったり紛争があっても、「自分には関係ない」と思うのに似ています。
どんな年代の女性でも真っ先に「体脂肪率30%オーバーで背が低くてワガママでガサツで頑固でブサメン」な男性を結婚相手に選ぶことはまずないのに、男性側はわかっておらず、女性は本質を見ないからだなどと言った舌の根も乾かぬうちに「女は若くて黒髪すっぴんで尽くし家庭的なのがいい」と言うわけです。ジャニーズの追っかけの女性を「現実を見ていない」と馬鹿にしながら、水着のティーンエイジャーのグラビア写真片手に娘でもおかしくない年齢の女性アイドルグループを追いかけたりしています。
それでも「モテる」「結婚できる」「彼氏が出来る」「愛される」と書かれたピンクの表紙たちが訴えているのは「女性は男様に選ばれる存在だから、男様がお選びになられるような耐え忍ぶことを美徳とする大和撫子となりなさい」と「いい加減歳を取ったら置かれた場所で踏まれなさい」と女性に訴えるだけなのです。
もし本気で男女平等と婚姻率と出生率を上げたかったら、戦後の「産めよ増やせよ」よりもっと酷い「産めよ増やせよ男と同じように働けよただし家庭の仕事も忘れるな」ではダメなのです。

男性側はいつまでもふんぞり返ってないで「今よりずっと下手に出て女性を理解する」「男女の違いを優れているか劣っているかではなく、ただ違うのだと理解する」ことが必要だと思います。半日重しをぶら下げたくらいでは妊婦の辛さか理解出来ないように、今まで目を背けてきた「男女の違い」を「男はすえら!えらい!女は思慮が浅い!分からない!」から一刻も早く脱却すべきだと思います。