新時代のめっき装置について


多くの方にとって『めっき装置』というと、溶けた金属の中に母材を浸たす湿式手順を想像されるかもしれません。
めっきというと「めっきが剥がれる」という言葉があるように安っぽい・古臭い技術という感じがします。

しかし現在。めっき技術は気相(ガス)を用いた手法へと進化しました。
これにより湿式で問題になる、金属溶液の回り込みやマスキングの問題により複雑な形状へのめっきが行いにくい点が改善されました。
めっきできる材質に関しても、金属以外にセラミックスなどの酸化物を選択できる様になったので、過去に用いられていた金属表面の見た目の改善や、表面状態の改質(耐摩耗性の向上やトタンなどの犠牲層による防錆効果の付与)のほかにも電子材料への使用範囲の拡大がなされ始めています。
電子材料は極めて大きな用途の裾野を持っています。

例えば、現在大手電線メーカーで開発中の超伝導電線には酸化物超伝導体が使用されており、その電線の製造にはめっき技術が用いられています。
この他にも四方を海で囲まれ、塩害の多い日本では重宝されている耐食性に優れた素材のガルバリウム鋼もめっき技術が使われています。
この様に、めっき技術は常に進歩を続け、その最新理論を実際の製造現場で実現できるように支えるめっき装置はお互いに日々進歩を重ね、新たな技術的要求や新たな産業に対応し続けています。
めっきは日本の産業や技術・未来を支えるのになくてはならないものなのです。

上村工業